福利厚生で食事を提供するには?種類・メリット・導入手順を総務担当者向けに解説【2026年版】

福利厚生で食事を提供するには?種類・メリット・導入手順を総務担当者向けに解説

食の福利厚生は採用・定着・健康経営に効く施策です。社員食堂・お弁当・食事チケットなど提供方法の種類とメリット、非課税で運用する条件、導入手順までを総務・人事担当者向けに解説します。

※本記事は2026年4月時点の情報をもとに作成しています。最新の税制情報は国税庁の公式情報をご確認ください。

目次

この記事でわかること

  • 福利厚生として食事を提供する5つの方法とそれぞれの向き不向き
  • 食の福利厚生がもたらす企業・従業員双方のメリット
  • 非課税で運用するための条件と2026年改正のポイント
  • 自社に合った方法を選ぶための判断基準と導入ステップ

結論:食の福利厚生は「採用・定着・健康経営」を同時に強化できる施策

食の福利厚生とは、企業が従業員の昼食代や軽食代を一部または全額負担する法定外福利厚生制度のことです。社員食堂・お弁当配送・食事チケット・設置型社食など複数の提供方法があり、企業規模やオフィス環境に応じて選択できます。

この施策が注目される理由は3つあります。

  1. 全従業員が公平に恩恵を受けられるため社内の不満が出にくい
  2. 2026年4月の税制改正で非課税上限が月3,500円から7,500円へ拡大し、企業負担を抑えながら手厚い支援が可能になった
  3. 採用市場での訴求力が高く、人手不足対策と従業員満足度向上を同時に実現できる

総務・人事・経理担当者にとって、食の福利厚生を見直すことは費用対効果の高い投資となります。

福利厚生としての「食事」とは

福利厚生の食事とは: 企業が従業員に対し、昼食代・軽食代・飲料代などを現物または補助金の形で支給する法定外福利厚生制度のこと。法律で義務付けられた法定福利厚生(健康保険・厚生年金等)とは異なり、企業が独自に設計できます。

国税庁は「食事を支給したとき」のガイドラインで非課税要件を定めており、一定の条件を満たすことで企業は福利厚生費として経費計上でき、従業員は所得税の課税対象外として補助を受けられます。

食の福利厚生 5つの提供方法

提供方法は大きく5種類に分類できます。それぞれにメリット・デメリットがあり、自社のオフィス環境や従業員数、予算によって最適解が変わります。

① 社員食堂

オフィス内に食堂スペースを設け、栄養士監修のメニューを安価で提供する方法です。大手企業に多く見られます。

  • メリット:栄養バランスに優れ、従業員間のコミュニケーション促進にもつながる
  • デメリット:設置スペース・初期投資・運営コストが大きい。リモート勤務者は利用できない
  • 向いている企業:従業員数500名以上、自社ビルや広いオフィスを持つ大企業

② オフィス弁当(宅配型)

外部業者が毎日決まった時間にオフィスへ弁当を配送する方法です。中小〜中堅企業で導入が拡大しています。

  • メリット:初期投資が小さく、月額固定費で運用できる。発注作業も簡単
  • デメリット:配達エリアに制約がある。当日の注文変更が難しい場合もある
  • 向いている企業:従業員数20〜300名、東京23区など主要都市にオフィスを構える企業

③ 設置型社食

オフィスに専用の冷蔵庫・冷凍庫を設置し、従業員が好きなタイミングで惣菜を選んで食べる方法です。

  • メリット:24時間利用可能。シフト勤務やフレックス制との相性が良い
  • デメリット:従業員数が少ないと利用率が低くなる。冷蔵庫の設置スペースが必要
  • 向いている企業:シフト制・夜勤がある企業、フレックス制を採用する企業

④ 食事チケット・電子マネー型

提携店舗で使えるチケットや電子マネーを支給する方法です。リモートワーク従業員にも提供しやすい点で注目されています。

  • メリット:勤務地を問わず利用可能。在宅勤務者にも公平に配布できる
  • デメリット:提携店舗の有無に左右される。地方・郊外オフィスでは選択肢が限られる
  • 向いている企業:リモートワーク中心、複数拠点・全国展開している企業

⑤ 福利厚生代行サービス

食事補助以外の福利厚生も含めて一括で代行業者に委託する方法です。中小企業の事務負担軽減に向きます。

  • メリット:複数の福利厚生を一括管理できる。担当者の運用負担が軽い
  • デメリット:自社のニーズに完全フィットしない場合がある。代行手数料が発生
  • 向いている企業:人事・総務の人員が限られた中小企業

5つの提供方法の比較表

提供方法初期費用月額コスト目安(1人あたり)導入難易度適した企業規模
社員食堂5,000〜15,000円500名以上
オフィス弁当7,000〜15,000円20〜300名
設置型社食3,000〜8,000円50名以上
食事チケット3,500〜7,500円規模不問
福利厚生代行500〜1,500円(代行費)50〜500名

※費用は2026年4月時点の一般的な相場。提供事業者により変動します。

食事の福利厚生がもたらす5つのメリット

① 従業員の健康増進と健康経営優良法人認定への寄与

栄養バランスのとれた食事を継続的に提供することで、従業員の健康維持と生活習慣病予防につながります。経済産業省が推進する健康経営優良法人認定制度では、従業員の健康増進に向けた具体的施策が認定要件となっており、食事補助はその有力な手段です。

② 「第3の賃上げ」としての実質手取りアップ

非課税枠で食事補助を提供すると、同額の現金給与を支給する場合と比べて従業員の手取りが実質的に増えます。これは「第3の賃上げ」と呼ばれ、物価高が続く環境下で企業負担を抑えながら従業員支援を強化できる仕組みです。

たとえば年収500万円の従業員に月7,500円(年間9万円)の非課税食事補助を支給した場合、現金給与で同額を上乗せするケースと比較して、所得税・住民税の差額分だけで年間約12,000円の手取り差が生まれます。

③ 採用力・定着率の向上

求職者が企業を選ぶ際、福利厚生は重要な判断材料です。食事補助は「日常的に使える」「効果が目に見える」福利厚生として人気が高く、求人票への記載や面接時のアピールに直結します。離職率の低下にもつながりやすい施策です。

④ 全従業員が公平に恩恵を受けられる

住宅手当や家族手当が一部の従業員に偏るのに対し、食事補助は全員が日常的に利用できます。社内の不公平感が生じにくく、導入時の反発も少ない点が大きな利点です。

⑤ 企業の税制優遇

非課税要件を満たせば企業負担分を福利厚生費として経費計上でき、法人税の軽減につながります。同額を給与として支給する場合と比べて、企業側の社会保険料負担も軽減できる点もメリットです。

非課税で運用するための条件【2026年改正対応】

食事の福利厚生を非課税で運用するには、国税庁が定める2つの条件を同時に満たす必要があります。

条件①:従業員が食事代の半額以上を負担していること

会社が全額負担すると非課税要件を外れ、給与課税対象になります。たとえば1食1,000円の弁当を提供する場合、従業員は500円以上を自己負担する必要があります。

条件②:企業の負担額が月額7,500円(税抜)以下であること

2026年4月施行の税制改正により、従来の月額3,500円から7,500円へ引き上げられました。1984年以来42年ぶりの見直しで、近年の物価高騰に対応した内容となっています。

サマリー:いつ・だれが・いくら・どうなる 2026年4月以降、企業が従業員に食事補助を提供する際、月額7,500円(税抜)までは非課税で運用できる。条件は「従業員が半額以上自己負担」かつ「企業負担が月7,500円以下」。年間最大9万円までを非課税で支援可能。

出典:国税庁「No.2594 食事を支給したとき」

食事の福利厚生 導入5ステップ

導入を検討する際は、次の5ステップで進めると失敗しにくくなります。

STEP1:従業員ニーズの調査 アンケートやヒアリングで「いま何に困っているか」「どんな食事補助があれば嬉しいか」を把握します。担当者の独断で決めると利用率が伸び悩むケースがあります。

STEP2:自社条件の整理 オフィスの立地・スペース、従業員数、勤務形態(出社中心 / リモート中心 / シフト制)、予算上限を明確にします。

STEP3:提供方法の選定 本記事の比較表を参考に、自社条件と従業員ニーズに合う方法を2〜3案に絞り込みます。複数業者から見積もりを取得すると相場感がつかめます。

STEP4:制度設計と税務確認 非課税要件を満たすよう、企業負担額・従業員負担額・支給ルールを設計します。就業規則・福利厚生規程への記載も忘れずに行います。

STEP5:導入とフォローアップ 試験導入(1〜2ヶ月)で利用率と満足度を測定し、本格導入後も定期的に見直します。

Q&A

Q. 食事補助は中小企業でも導入できますか?

導入できます。むしろオフィス弁当や食事チケット、設置型社食は中小企業向けに設計されており、初期投資を抑えて月額3,000〜7,500円程度から始められます。社員食堂のような大規模設備は不要です。

Q. リモートワーク中心の会社でも提供できますか?

提供できます。食事チケット型・電子マネー型のサービスを使えば、勤務地に関わらず全従業員へ公平に補助を届けられます。出社日のみオフィス弁当・在宅日はチケットというハイブリッド運用も可能です。

Q. 食事補助を現金で支給することはできますか?

現金支給は原則として全額が給与課税対象になります。非課税で運用するには現物支給(食事そのものを提供する)か、特定用途に限定した食事チケット・電子マネーを利用する必要があります。

Q. 月額7,500円を超えて補助した場合はどうなりますか?

7,500円を超えた部分は給与所得として課税対象になります。たとえば月10,000円を企業が負担した場合、超過分の2,500円が課税対象です。非課税枠内で設計するか、超過分の課税を受け入れた上で運用するかを判断します。

Q. 健康経営優良法人の認定要件にも使えますか?

使えます。経済産業省の健康経営優良法人認定制度では「従業員の食生活改善」が評価項目に含まれており、栄養バランスの取れた食事提供は認定取得に向けた具体施策として認められています。

まとめ

食事の福利厚生は、採用・定着・健康経営・実質手取りアップという複数の経営課題を一度に解決できる費用対効果の高い施策です。2026年4月の税制改正で非課税上限が月7,500円へ拡大されたことで、企業負担を抑えつつ従業員へ実効性のある支援を提供できるようになりました。

導入のポイントを再整理します。

  1. 提供方法は5種類。自社のオフィス環境・従業員規模・勤務形態に合わせて選ぶ
  2. 非課税要件は「半額以上自己負担」「月7,500円以下」の2つを同時に満たすこと
  3. 中小企業はオフィス弁当・食事チケットから始めるのが現実的
  4. 健康経営優良法人認定や採用強化と併せて検討すると効果が大きい
  5. 導入は5ステップで進め、試験導入を経て本格運用に移行する

まずは自社の従業員ニーズを把握するところから始めましょう。


シャショクラブについて

シャショクラブは東京23区のオフィスに特化した月定額制のオフィス弁当サービスです。2026年税制改正の非課税枠7,500円を最大限活用できる料金設計で、請求書払い・月次明細対応により総務・経理担当者の運用負担を最小化します。

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この記事を書いた人

オフィス弁当・食事補助サービス「シャショクラブ」を運営する株式会社RETRYの編集チームです。食事補助の制度・税務から社食サービスの選び方、福利厚生の活用ノウハウまで、人事・総務担当者や経営者の意思決定に役立つ情報を現場の知見をもとに解説します。

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