2026年度税制改正で食事補助の非課税上限が月額3,500円から7,500円に拡大。いつから適用?条件は?仕訳はどう変わる?総務・経理担当者が今すぐ知っておくべき内容を解説します。
※本記事は2026年2月時点の情報をもとに作成しています。制度の最終確認は国税庁・財務省の公式情報をご参照ください。
この記事でわかること
- 食事補助の非課税上限が7,500円に引き上げられる背景と概要
- 非課税で運用するための3つの条件
- 改正前・改正後の比較と、会社・従業員それぞれのメリット
- 総務・経理担当者が今から準備しておくべきこと
結論:月額7,500円まで非課税で食事補助を提供できるようになる
2026年(令和8年)度の税制改正により、企業が従業員に支給する食事補助にかかる所得税の非課税上限が、月額3,500円から7,500円へ引き上げられます。 1984年(昭和59年)以来、42年ぶりの見直しです。
施行は2026年4月予定。月20日勤務の場合、1食あたり最大375円(7,500円÷20日)の補助を非課税で設計できるようになり、近年の物価高騰に見合った実効性のある支援が可能になります。
従業員の手取りを減らさずに福利厚生を厚くしたいと考えている総務・人事担当者にとって、この改正は制度を見直す絶好のタイミングです。
食事補助の非課税制度とは
食事補助の非課税制度とは: 企業が従業員に食事を支給・補助した際、一定の条件を満たせば、その補助額を従業員の給与所得(課税対象)としてカウントしない制度です。
現金で「ランチ手当」として支給すると全額が給与課税対象になりますが、現物(弁当・社食・食事補助サービス)の形で提供し、以下の条件を満たすことで、会社負担分が非課税になります。
非課税で運用するための3つの条件(現行制度):
- 食事の現物支給であること(現金の食事手当は全額課税対象)
- 従業員が食事代の半額以上を負担していること
- 会社の負担額が月額3,500円(税抜)以下であること(改正後:7,500円)
条件③を1円でも超えた場合、「超えた分だけ」ではなく「会社負担分の全額」が給与として課税対象になる点は注意が必要です。
出典:国税庁「No.2594 食事を支給したとき」
なぜ今、非課税上限の引き上げが決まったのか
月額3,500円という上限は1984年(昭和59年)に設定されて以来、42年間一度も見直されていませんでした。月20日勤務換算では1食あたり175円。現在のランチ価格(都市部では1,000〜1,200円が相場)と比較すると、実質的な支援効果はほとんどない水準です。
背景には、近年の物価・食料品価格の上昇に加え、「賃上げ」を推進する政府方針と企業の人的資本戦略の変化があります。外食産業や福利厚生サービス業界を中心に構成された「食事補助上限枠緩和を促進する会(幹事社:エデンレッドジャパン)」が継続的に要望活動を行ってきた結果、2025年12月19日に与党の「令和8年度与党税制改正大綱」に明記、同月26日に閣議決定されました。
改正前・改正後の比較
<!– 画像: 比較表イメージ alt=”食事補助 非課税上限 改正前3500円 改正後7500円 比較表” –>
| 項目 | 改正前(〜2026年3月) | 改正後(2026年4月〜) |
| 非課税上限(月額) | 3,500円(税抜) | 7,500円(税抜) |
| 1食あたりの補助上限 ※月20日換算 | 約175円 | 約375円 |
| 年間の非課税補助上限 | 42,000円 | 90,000円 |
| 据え置き期間 | 1984年〜(42年間) | 2026年4月〜 |
年間の非課税枠は42,000円から90,000円へ、約2.14倍に拡大します。
会社・従業員それぞれのメリット
会社側のメリット
従業員1人あたり月5,500円分(7,500円-2,000円※現行で最大活用していた場合)追加で非課税補助を拡大できます。
この補助は損金(法人税の課税対象から除かれる費用)として計上でき、会社の税負担も軽減されます。また、採用・定着の観点でも「食事補助充実」は求職者へ訴求できる材料となります。
従業員側のメリット
従業員側のメリット
月7,500円の食事補助を受けても、それが非課税であれば所得税・住民税の対象にはなりません。
同額を現金で給与として受け取った場合と比べ、手取りが実質的に増える効果があります。
試算例:年収500万円の従業員が月7,500円(年間90,000円)の食事補助を受けた場合
| 受取方法 | 税負担の変化 | 実質的な手取り増 |
| 現金給与として上乗せ | 所得税・住民税が合計約12,000円増加 | 約78,000円/年 |
| 非課税食事補助として受取 | 税負担の変化なし | 90,000円/年(まるごと) |
※社会保険料控除・給与所得控除等を考慮した概算。実際の税額は個人の控除状況により異なります。
現金支給では税・社会保険料の対象となり手取りが目減りしますが、非課税食事補助であれば90,000円がそのまま生活支援として機能します。年収500万円帯では年間約12,000円の手取り差が生まれる計算です。
総務・経理担当者が今から準備すること
ステップ1:現行の食事補助制度を棚卸しする
既に食事補助制度がある会社は、現在の補助額と条件(現物支給か/従業員負担割合はどのくらいか)を確認します。
条件を満たしているかどうか、会計処理が適切かを見直す良い機会でしょう。
ステップ2:補助額の改定を検討する
上限が7,500円に引き上げられた後も、あくまで「上限」です。1食の設計をどうするか(例:1食500円の弁当なら会社負担250円=月20日で5,000円など)は自社の方針で決めましょう。。
社員の実際のランチ代をヒアリングしておくと設計しやすくなります。
ステップ3:運用・集計の仕組みを整える
食事補助は「就業日に食べた食事」が対象のため、出勤日数と連動した集計が必要です。
特にリモートワークと出社が混在する環境では、出社日の把握と食事補助の利用管理をどう結びつけるかが課題になります。
月次で過不足なく集計できる仕組みを今から設計しておくと、施行後の混乱を防げます。
ステップ4:仕訳・給与計算への反映を確認する
食事補助の会計処理は「福利厚生費」として計上します。
上限内であれば従業員の給与課税は発生しませんが、上限を超えた場合は超過分ではなく会社負担額の全体が給与扱いになるため、給与計算ソフト側の設定変更も必要になるケースがあります。
社内の経理・給与計算担当と連携して対応スケジュールを立てておきましょう。
よくある質問(Q&A)
Q. 食事補助の非課税上限7,500円はいつから適用されますか?
A. 令和8年度税制改正大綱(2025年12月26日閣議決定)に基づき、2026年4月施行予定です。国会での法案成立を経て正式に効力を持ちます。施行前に社内制度の設計・改定を進めておくことを推奨します。(2026年2月時点)
Q. 現金で食事手当を支給している場合も非課税になりますか?
A. なりません。現金・銀行振込で支給する「食事手当」は全額が給与課税対象です。非課税の対象となるのは、弁当・社員食堂・食事補助サービスなど「現物または現物に準じる形式」での支給に限られます。
Q. 月7,500円を超えて食事補助を支給するとどうなりますか?
A. 会社負担額が月7,500円を1円でも超えると、超えた分だけでなく会社負担額の全額が従業員の給与所得として課税対象になります。上限ギリギリで設計する場合は、税抜金額で管理することが重要です。
Q. オフィス弁当の宅配サービスでも非課税になりますか?
A. 条件(現物支給・従業員半額以上負担・会社負担額が月7,500円以下)を満たせば対象になります。月定額のオフィス弁当デリバリーサービスを福利厚生として導入する場合も、この3条件を満たすよう設計することで非課税運用が可能です。
まとめ:2026年4月の改正に向けて、今動いておく理由
食事補助の非課税上限が月額7,500円に引き上げられることで、企業は手取りを減らさずに福利厚生を拡充できる余地が大きく広がります。
- 1984年以来42年ぶりの改正、施行は2026年4月予定
- 年間非課税枠は42,000円→90,000円へ約2倍に拡大
- 非課税の3条件(現物支給・従業員半額負担・月7,500円以下)は従来と同じ
- 準備は「社内制度の棚卸し→補助額設計→集計・仕訳の整備」の順で
施行まではあと数ヶ月。給与改定と違い食事補助は運用設計と仕組みづくりが重要です。
特に出社日と連動した集計管理が必要になるため、早めに社内の体制を整えておくことをおすすめします。
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参考:財務省「令和8年度税制改正の大綱」(2025年12月26日閣議決定)/ 国税庁「No.2594 食事を支給したとき」

